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BL~中編・長編集~

第7章 ~むかしむかしの恋物語~

「・・・?」

先生の話を聞いていると、後ろの人に肩を叩かれました。

不思議に思い振り返ると、なにやら白い紙を渡されました。

「・・僕に?」

小声でそう尋ねると、後ろの人は黙って頷きました。

(誰だろう?)

受け取り、開いてみるとそれは百からの手紙でした。

『今日の帰り、二人で話さないか?』

内容は、今日の帰りの誘いでした。

「・・・」

伊代は一瞬迷いました。

今日で、百と一緒に過ごすのが最後になるからです。

「・・・・・・」

伊代は覚悟を決めると、一瞬百を振り返り、右手でOKのメッセージを作りました。

それを見た百は、嬉しそうに微笑みました。

しかし、その笑顔を見た伊代は泣きそうになりました。

百のことを裏切るような気がしたからです。

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