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BL~中編・長編集~

第7章 ~むかしむかしの恋物語~

習い事の帰り━・・・

伊代はいつもの場所で百のことを待っていました。

しばらく待っていると、遠くから百がこちらにやってくるのが見えました。

その姿を見つけた途端、伊代は胸が締め付けられたように苦しくなりました。

「よう。」

百はそう言い、伊代の隣に腰かけました。

「久しぶり。」

伊代は、出来るだけいつも通りに接しようと決めておりましたから、無理に笑顔を作り続けました。

そんな伊代に気が付かないわけがなく、百が心配そうに声をかけました。

「どうしたんだ?」

「・・・・」

伊代は、百から目を逸らし、覚悟を決めて口を開きました。

「・・もう・・・やめよう?」

「は?」

伊代は、昨日の夜お母さんとお父さんに呼び出され、話されたことを百に話しました。

「だから・・・」

「伊代は、もう俺と関わりたくないか?」

思ってもみなかった質問に伊代は驚きましたが、正直に答えました。

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