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BL~中編・長編集~

第7章 ~むかしむかしの恋物語~

百の口から出た言葉を理解するのに、伊代はしばらく時間がかかりましたが、やっとの思いで口を開きました。

「な・・・んで・・?」

「もう・・・お前と関わりたくない。」

「っ・・・」

伊代は大粒の涙を流しながらその場から走って行きました。

その後ろ姿を百が悲しそうな顔をして見ていたのを、伊代は知るよしもありませんでした。






「うっ・・・ッ・・・・」

一方・・・・

百と別れた伊代は、森の湖に来ておりました。

「なっ・・・・で・・ッ・・・・・」

一人で泣いておりますと、後ろから伊代に声をかける人がありました。

「伊代・・?」

「え・・・・?」

驚いて振り返るとそこには、習い事が一緒の麻紀(シカ)が立っていました。

「どうしたんだ、こんな所で?」

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