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BL~中編・長編集~

第7章 ~むかしむかしの恋物語~

「いや・・・その・・・」

伊代は何も言えません。

百とのことは、誰も知らないからです。

「べ、別に・・なんでもないから・・・・」

「なんでもないわけないだろ・・・・」

麻紀は心配そうに伊代の隣に腰かけます。

「俺には言えないことか?」

「・・・・」

伊代は口を開きません。

「・・ごめん・・・」

「・・・そうか。」

それでも麻紀は、優しく伊代に接してくれました。


「なんか悲しいことがあったのか?」

「・・・っうん・・」

伊代は麻紀の問いに、正直に答えていました。

「・・・・泣きたいときは、思いっきり泣くといいんだぞ?」

「・・っ・・・・ぅ・・」

優しい麻紀の言葉に、自然と涙が溢れてきました。

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