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BL~中編・長編集~

第7章 ~むかしむかしの恋物語~

「・・・・?」

視線を感じたからです。

「っ!!」

伊代は最初、目の錯覚かと思いました。

「ぅ・・・そっ・・」

庭に、百の姿があったからです。

「百!?」

伊代は体が痛むのも忘れて、窓に飛びつきました。

「・・百だ・・・」

はっきりとその姿を確認すると、伊代は窓を開け、体を外に乗り出しました。

「百っ!!」

「伊代・・・」

百は伊代を見ると、悲しそうな顔をしました。

「ごめんな・・・俺のせいで・・」

そう謝る百は今にも泣きそうな顔をしていました。

「俺がいなければ、伊代は・・・・」

「百!!」

百の言葉を最後まで聞かず、伊代は窓から飛び出しました。

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