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BL~中編・長編集~

第7章 ~むかしむかしの恋物語~

「っ!?」

百はなんとか伊代を受け止めましたが、なんせ伊代の部屋が2階だったため、勢いが強すぎて二人とも地面に倒れ込んでしまいました。

「・・っ・・・伊代・・?」

「謝んないで、百・・・」

百の腕の中で、伊代は泣いておりました。

「百のせいじゃ・・・・ないからっ・・・」

「伊代・・・」

そう泣き続ける伊代を、百は強く抱きしめました。

「百・・・教えて・・・? 僕から離れた理由・・・」

「・・・・お前を・・」

伊代を強く抱きしめたまま、百は口を開きました。

「食べたくなった。」

「っ!!」

伊代の肩が、「ビクッ」と跳ねます。

「お前と一緒にいるうちに、俺はお前のことを喰ってしまいたいと思うようになった。」

「・・・」

伊代は、黙って百の言葉を待っていました。

「でも・・・それは、伊代を殺すって意味じゃなくて・・・」

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