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BL~中編・長編集~

第8章 ~幸せはすぐそこに~

そう聞くと、母さんは頷いた。

「今よ。 早く行って来て。」

「・・・・わかったよ。」

渋々、母さんの言うことに従う。

潤の家は、俺の家のちょうど向かい側にある。

ピンポーン━・・・・

チャイムを鳴らし、しばらく待つとドアが開いた。

「はい、どちら様?」

出てきた潤は、上半身裸だった。

「豊・・・」

俺の姿を確認すると、潤は驚いたように固まった。

別に見るつもりはなかったけど、玄関に潤の物ではない靴が置いてあった。

あれは確か、雨宮がこの間履いていたやつだ。

もう、体をつなげるところまで行ったのか。

俺なんて、1年以上付き合ってキス止まりだったのに・・・

「・・・・これ、母さんが。」

潤の顔を見ずにタッパーを押し付け、相手の反応を見る前にその場を立ち去る。

家に逃げるようにして入り、自分の部屋に戻った。

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