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BL~中編・長編集~

第8章 ~幸せはすぐそこに~

「・・・翠っ・・・・・」

「・・潤・・・」

校内を探しつくしたのか、潤は生徒会室でうなだれていた。

「副会長、実は、まだ探してないところがあります。」

「どこだ?」

潤に聞こえないように、絨史は小声で言ってきた。

「体育倉庫の周辺です。」

「俺が行くよ。」

絨史に、潤のそばにいてもらうように頼んで生徒会室を出る。

体育館倉庫は、滅多に人が近づかない。

もし雨宮が誰かにさらわれたんだとしたら、そこにいてもおかしくはない。

「・・・・ぃ・・・ゃ・・・」

体育館倉庫に着くと、中から声が聞こえた。

「やめて!!」

「翠ちゃん!!」

間違いなく、雨宮の声だ。

俺は迷うことなく、体育館倉庫の扉を開いた。

「雨宮!!」

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