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BL~中編・長編集~

第9章 ~大切なもの~

隣で気持ちよさそうに眠っている一馬に目を向ける。

そろそろ・・・・限界か。

一馬と付き合い始めて、一年半。

最近は、二週間に一回くらいしか会わなくなった。

「うーん・・・ひろ・・・」

「・・・」

ベッドから抜け出し、服を着てベランダに出る。

「ひろ・・・ね・・・・」

一馬は浮気性だ。

しかも、結構重度。

帰って来るたびについてる匂いは変わってるし、部屋にセフレを連れ込んでセックスなんて、当然のこと。

相手は男だったり女だったり・・・

「・・・」

でも、最初はそんなんじゃなかった。

付き合い始めた頃は、俺のことだけを大切にしてくれて・・・

『奏多、好きだよ。』

毎日そう言ってくれた。

付き合って半年経った頃・・・一馬は俺に、同居しないかと聞いてきた。

その時は嬉しくて嬉しくて・・・

俺は迷わず頷いた。

「ふぅ・・・」

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