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BL~中編・長編集~

第9章 ~大切なもの~

「あぁ。 悪いな。」

コーヒー代は俺が出し、喫茶店を出た。

「じゃあ、よろしくな。」

吉村と別れ、家に向かう。

昨日帰って来たし・・・・今日は一馬、帰って来ないだろ。

夕飯は一人分でいいか。

そんなことを思いながら玄関のドアを開いた。

「あ、お帰り。」

「か・・・ずま・・?」

瞬間、一馬が玄関まで出てきて・・・

まさか、一馬がいるなんて思ってもいなかったので、俺は驚いて固まってしまった。

「お帰り、奏多。」

「ぁ・・・た、ただいま。」

嘘だろ?

どうして家に・・・いつもならもう遊びに行ってるのに・・・

「どうした?」

「いや・・・別に・・・・」

久しぶりに「お帰り。」って言われたな・・・

「そうか?」

靴を脱いで家に上がると、一馬に後ろから抱きしめられた。

「なに?」

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