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BL~中編・長編集~

第9章 ~大切なもの~

「ここだぜ。」

「ふーん。」

次の日。 俺は、吉村と例の物件を見に来ていた。

「家賃も、お前の希望額だ。」

「いい所だな。」

俺が提示した家賃の安さでこの物件なら、お得かもしれない。

「だろ。」

「・・・ここにするか。」

すぐに決めた俺に、吉村は驚いたような表情を見せた。

「そんな即決で大丈夫か?」

「あぁ。」

別に・・・一馬と離れられるなら、どこでもかまわない。

「じゃあ、契約するか。」

吉村の言葉に頷き、不動産屋に戻る。

「ありがとうございます。」

「いつから住めますか?」

俺の質問に、不動産屋は営業スマイルで答えた。

「明後日からなら。」

「わかりました。」

契約を済ませ、二人で不動産屋を出る。

「今日どうする?」

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