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BL~中編・長編集~

第9章 ~大切なもの~

「よし、やるか。」

「で、俺は何をすればいい?」

そう聞かれたので、俺は自分の部屋に吉村を連れて行った。

「じゃあ悪いんだけど、俺の洋服とか詰めてくれねぇ?」

「OK。」

荷物を詰めるのは吉村に任せ、俺はまずキッチンに入った。

「ええっと・・・」

食器棚を開け、自分が使ってた皿やコップを出していく。

前の家から持ってきたのは向こうに持って行くとして・・・

「・・・・」

俺の手は、一馬がクリスマスプレゼントでくれたペアのマグカップを持って止まった。

『これ、ペアなんだぜ? 大事にしろよ。』

いつまでもこんなの持ってたら、未練がましいよな。

少し迷った挙句、俺はそれをゴミ袋に入れた。

「あとは別にいらないから・・・捨てるか。」

必要最低限の食器を取り出し、あとは捨てるためにゴミ袋に入れていく。

次は・・・リビングか。

ソファにかかっているカバーをはずし、俺がこの家に来る前にかかっていたものに変える。

「あとは・・・・」

テーブルクロス、ランプ、時計・・・すべて、俺が来る前の状態に戻していく。

「よし、次は風呂場だな。」

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