テキストサイズ

BL~中編・長編集~

第9章 ~大切なもの~

「おはよー。」

「うーす。 朝飯できてるぜ。」

次の日の朝。

俺は少しでも役に立とうと、朝ご飯を作った。

「・・・」

「なんだよ。」

目を丸くしている吉村にそう問いかけると、吉村はやっと口を開いた。

「いや・・・・奥さんっぽいなと。」

「は?」

何を言ってるんだ、こいつは?

「意味がわからん。」

「まあまあ。 飯食おうぜ。」

なんかいろいろ流された気がするが、吉村とテーブルを囲んで朝ご飯を食べた。

「うまいな。」

「まあ、料理は得意だし。」

そういえば、誰かと食卓を囲むのは久しぶりかもしれない。

「・・・」

「どうした、杉野。」

黙り込んだ俺を見て、吉村がそう聞いてきた。

「・・・・誰かとご飯食べるのって、こんなにうまいんだな。」

「・・・・」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ