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BL~中編・長編集~

第10章 ~番外編①~

「気づいてたんですか。」

「まぁな。 他のみんなは気づいてないだろうけどな。」

まぁ、みんなに気づかれてないならいいか。

「すみません。」

「気にするな。 どうせ、松下から仕掛けたんだろ。」

この人は…一体どれだけ僕たち生徒のことをわかってるんだろう?

「ほどほどにするよう、俺からも言っておくよ。」

「ありがとうございます。」

なんだか、話しやすい先生だ。

今まであんまり話したことなかったんだけど…

「さて、そろそろ戻るか。」

「はい。」

先生の言葉に頷き、ソファから腰を上げる。

「うわっ!!」

「っ!!?」

立ち上がった瞬間、足をひねって転びそうになった僕は、先生のシャツを思わず掴んでしまった。

「いった…」

「いてて…」

先生と僕は、そのまま一緒にソファに倒れこんだ。

「おい、大丈夫か近藤。」

「大丈夫です…すいません。」

僕っていつも鈍くさいよな…そう思いながら、起き上ろうとした時だった。

「なにやってんだ?」

海斗が部屋に入ってきたのは。

「海斗…」

「松下か。 驚かせるな。」

部屋の入口に立っている海斗の表情は、今までに見たことないくらい怒っていた。

「優太から離れろ!!」

「うわ!!?」

海斗は僕に覆いかぶさっている先生を無理矢理引きはがすと、そのまま突き飛ばした。

「いって…!!」

「先生!!」

慌てて先生に駆け寄る。

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