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BL~中編・長編集~

第10章 ~番外編①~

「………」

「………」

しばらくの間、僕と海斗の間に会話はなかった。

「………」

静かな教室。 静かな学校。

あと数分もすれば、チャイムが鳴って騒がしくなるんだろうけど。

「…あの…」

「…?」

気まずい雰囲気が流れる中、最初に口を開いたのは海斗だった。

「さっきは…ごめん。」

「………」

その言葉に、先ほどの行為が頭をよぎった。

「…なんで…」

「え?」

まだ…海斗が怖い。

「なんであんなことしたの?」

「それはっ…」

海斗は僕の顔を見た後、顔を伏せてしまった。

「…あの先生に、お前が押し倒されてたから…」

「え?」

押し倒されてた?

「さっきの部屋で。」

「ぁ…」

僕が転んだ時の…あれ?

「頭が真っ白になって、気が付いたらお前を無理矢理犯した後だった。」

「………」

じゃあ、海斗は…先生に嫉妬しただけ?

「へへへ。」

「優太?」

そうとわかれば、僕は海斗に抱きついた。

「うわっ!!」

抱きついた勢いで、僕と海斗はソファに倒れこんだ。

「優太!?」

「よかった…」

あんなことされたから、てっきり…

「海斗に嫌われたのかと思った。」

でも、安心した。

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