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なんで俺に？

最初に浮かんだ疑問がこれだった。

不吉と嫌われる黒猫の俺といたら、周りの奴らから何を言われるかわからないのに、さらに話を聞けと？

「俺さ、彼女がいるんだけど・・・・」

知ってるよ。

この学校にいる奴なら、誰でも知ってる。

「最近さ、彼女が本当に俺のことを好きでいてくれてるか心配でさ・・・」

「は？」

何を言い出すんだ、こいつは・・・

「俺が他の女の子と必要以上にくっついててもなにも言わないし・・・・」

「・・・・・」

なぜこいつは、こんな話を俺にするんだろう？

「もう、俺のことなんてどうでもいいのかなって・・・」

「バカじゃねぇの？」

「ぇ？」

俺は半ば睨むようにして、隣で悲しそうにしている男を見据えた。

「お前が相手を信じなくてどうすんだよ。　そんなんだから、愛想を尽かされるんだ。　不安なら、素直に相手にぶつけてみればいいだろ。　彼女が何を思ってその行動をとってるか知りもしないくせに、簡単に諦めてんじゃねぇよ。」