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BL~中編・長編集~

第12章 ~こんどこそ一緒に~

「ハルが来てくれたあの日・・・別れ話をしようと思って、ナオを部屋に上げたんだ。

でも、ナオに流されて寝てしまった。
自分の弱さに悔いてるところに、ちょうどハルが来て・・・・」

あの日の光景が、鮮明に浮かんできた。

上半身裸のシロ・・・・体にタオルだけで巻いた彼女・・・・

昔の光景と全く一緒だった。

「ハルが来てくれたことで、俺は我に返ったよ。 何してるんだろうって。」

俺は・・・あの時、邪魔しただけだと思ってた。

俺のせいで、あの後気まずくなったりしてないかって・・・・

「ナオと無理矢理別れ話をした後、ハルのカレーを食べて、すごく驚いた。

だって、昔食べたことがある気がしたから。」

「ぇ・・・・」

あ・・・・そうだ。

俺がまだミケだった頃・・・クロに何回かカレーを作ってあげたことがあったんだっけ?

俺はカレーを作るとき、隠し味にカカオ99%のチョコレートをいれるから、食べたことのない味で美味しいって言ってくれたんだよな。

「ハルのカレーを食べたあの日から、徐々に昔の記憶が戻ってきた。
でも、決定的なことは何も思い出せなかった。」

最初の俺と同じ?

「記憶の中で誰かが笑ってるんだけど・・・それが誰かわからなかった。

すごく大切な人だってことは、感覚でわかってたんだけどね。」

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