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BL~中編・長編集~

第2章 ~あなたが一番大切です~

「お前を殴ったあの先輩、退学処分になったぜ。」

知ってる。

全部、見舞いに来た親が教えてくれた。

「はぁ・・・」

「一輝?」

僕がため息をついた瞬間、タイミングよくチャイムが鳴った。

「じゃあ、また後でね。」

「・・・・あぁ。」

自分の席につき、ぼんやりと教科書を眺める。

今日・・・先輩の分のお弁当が入ってない鞄を持って学校に来るのが、悲しくて仕方なかった。

先輩の分のお弁当が入ってないだけで、こんなに鞄が軽くなるなんて・・・・

『・・・・・・困ってる。』

でも・・・・

僕は、先輩にとって迷惑でしかないから・・・・・

「・・・ッ・・」

頬に、一筋の涙が伝った。

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