テキストサイズ

BL~中編・長編集~

第14章 ~人は見かけによらないにゃ~

死・・・・

カインさんの口から出てきたその言葉に、僕は苦しいのを我慢して言い返しましたにゃ。

「僕はっ・・・もう一回死・・・・んでるにゃ・・ッ・・」

僕の言葉に、カインさんの力が一瞬だけ緩みましたにゃ。

「だから・・・・ッ・・死ぬのは・・・怖くない・・・・っ・・にゃっ・・・でも・・・」

僕が死より恐れるもの。

「留架様のっ・・・・傍を離れ・・・・ッ・・るのは、死ぬよりもつらいにゃ・・・」

「・・・・・」

最後まで言い終えると、カインさんの力が先ほどよりも増しましたにゃ。

「か・・はっ・・」

「俺にそんなこと言ったやつは、初めてだ。」

意識が・・・もう・・・・

「カイン~?」

僕の意識が遠ざかりかけた時、亮様がカインさんを呼ぶ声が聞こえましたにゃ。

その瞬間、カインさんの力が弱まったので、僕はその隙をついて逃げ出しましたにゃ。

「待てっ!!」

「にゃ!!!」

・・・が、首にしている蝶ネクタイをくわえられ、また捕まってしまいましたにゃ。

「離して下さいにゃっ!!!」

それでも逃げようと必死にもがいていたら、「ブチッ」と何かが切れる音がしましたにゃ。

「っ!!!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ