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BL~中編・長編集~

第14章 ~人は見かけによらないにゃ~

一生懸命追いかけてるけど、真猿さんはすばしっこい上に、僕は体が小さいから全然追いつけない。

「鏡夜、遅いぞ~。」

「はぁ・・・はぁっ・・・・」

からかわれながら、必死でついて行く。

「ほら、悔しかったらここまで来てみな。」

その声に顔を上げると、真猿さんは木の上で蝶ネクタイをチラつかせていましたにゃ。

「俺もそろそろ飽きてきたし、これもいらないし。 じゃあな。」

真猿さんはつまらなさそうにそう言うと、蝶ネクタイを置いてさっさと帰ってしまいましたにゃ。

「にゃ・・・・」

僕は猫だから、木に登るのは問題ない。

でも、僕・・・・・高所恐怖症なんですにゃ。

たぶん、それをわかっててあそこに蝶ネクタイを置いたんだろうな。

「・・・」

いや、迷ってる場合じゃないですにゃ。

あれは留架様からいただいた大切な蝶ネクタイ。

一度は壊れたけど、カインさんにもらった大事な・・・大事な蝶ネクタイなんですにゃ。

「にゃにゃ・・・」

僕は意を決して、木によじ登りましたにゃ。

「にゃ・・・っ・・・」

ようやく登り終え、木の端にかかっている蝶ネクタイに手を伸ばす。

「・・・っ・・取れた。」

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