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BL~中編・長編集~

第16章 ~Riproduzione~

おや。 それが頼む側の人間の態度ですか?

「・・・・戻して下さい。」

ふふふ。 最初からそうやって言えばいいんですよ?

しかし・・・今すぐ彼が生きていた頃に戻すことはできません。

「なっ・・・」

時間旅行というのは、そう簡単にできるものではないのです。

一回時間旅行をしてからは、しばらくしないと飛ぶことはできません。

「それって・・・どのくらいの時間なんだ?」

わかりません。 時と場合によります。

飛ぶのが可能になりましたら、こちらから声をおかけします。
それまでの間、昔を懐かしんだらどうですか?

「・・・・」

そんなこと言われても・・・

豊が生きてないのに、この世界で何をしろと?

『会長~、サボってないで戻って来てくださ~い。』

放送で、俺に呼び出しがかかった。

「・・・」

なにもすることないし、生徒会にでも行ってみるか。

そう思い、立ち上がると教室を出た。

「懐かしいな・・・」

約40年ぶりに校舎を歩く。

「あ、どこに行ってたんですか・・・って、その傷どうしたんですか!!?」

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