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BL~中編・長編集~

第16章 ~Riproduzione~

俺の方に寄ってきた生徒は、俺の顔を見て固まった。

「ちょっと・・・・いろいろあって。」

そう答えながら、生徒会長室に入った。

「潤・・・・」

「・・・雨宮・・」

そこには、先客が。

雨宮翠。 俺の元恋人。

「なんの用だ。」

「あの・・・僕・・・・」

あの頃は、雨宮の顔を見るだけで怒りが込み上げてきた。

でも、今は・・・・

「話があるなら早くしろ。」

「あ、はい・・・」

昔みたいな怒りは感じない。

45年の間に、俺も成長したってことだろう。

「その・・・一言謝りたくて・・・・」

「・・・・」

昔の俺は・・・雨宮の言葉なんて聞く気も起きなかった。

でも本当は、こいつも後悔してたんだな。

「ごめんなさいっ・・・」

「・・・・俺に謝らなくていい。 豊に・・・あいつに謝れ。」

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