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BL~中編・長編集~

第16章 ~Riproduzione~

雨宮にそう言った時、部屋に役員が入ってきた。

「会長、これを先生に提出しようと思うのですが・・・」

「見せてみろ。」

あと一週間で夏休み。
やらなければならない仕事が溜まっていて忙しい。

「いいんじゃないか。 先生に提出しても問題ない。」

「ありがとうございます。」

役員が部屋を出ていと、雨宮はポケットからなにか取り出した。

「これ・・・瑞城先輩が稼いだお金です。」

それは、札束だった。

「瑞城先輩が体を張って、稼いだお金です。 潤が受け取って。」

雨宮はそれを置いて、部屋を出て行った。

「豊・・・」

こんなにお金を稼げるくらい、体を張って俺を守ってくれてたってことか。

「・・・っ・・・」

そう思ったら、涙が溢れてきた。

「ぅっ・・・く・・・ッ・・」

ごめん・・・豊・・ごめん・・・・

俺のせいで・・・こんな最低な俺を、お前はずっと想ってくれてたのに・・・

「くそっ・・・」

どうして俺は・・・豊の気持ちに気付いてやれなかったんだ。

「う・・・ッ・・・」

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