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BL~中編・長編集~

第16章 ~Riproduzione~

「立てるか?」

「あぁ。」

松下の手を借りながら立ち上がる。

う・・・ちょっとふらふらする。

「・・・近藤・・・・」

「優太?」

屋上の扉を開くと、すぐそこに近藤が待っていた。

「・・・保健室の先生に話しつけてきたから・・・・ベッド貸してくれるって。」

「・・・・・」

近藤がそんなことをしてくれたなんて・・・・

驚いて、言葉が出なかった。

「・・・ありがとう、近藤。」

「・・・・・うん。」

やっと出た言葉は、これだった。

「大丈夫? 歩ける?」

「あぁ・・・」

まずいな。

思ったより体調がよろしくない。

「じゃ、授業終わったらまた来るから。」

「あぁ、サンキュ。」

俺を保健室まで送り届けると、松下と近藤は授業を受けに教室に戻った。

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