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BL~中編・長編集~

第16章 ~Riproduzione~

「はぁ・・・」

豊はいい友達を持ってたんだな。

「・・・・」

俺が知ってる未来で、あの二人は一度も同窓会に来なかった。

俺も、一度も行っていない。

一番の親友が死んでしまった記憶を、思い出したくなかったのだろう。

「・・・ごめん。」

豊の未来だけじゃない。

俺は・・・・あの二人の未来まで壊した。

「・・・・・」

昔の友人に会って、今の心境はどうですか?

「俺が一人にしてほしい時に、必ず現れるな。」

ふふふ。 友達というものが、どれだけ大切な存在か気づいていただけましたか?

以前のあなたは、二人から距離をとって関わらないようにしていましたからね。

「あぁ。 よくわかった。」

それはよかったです。

豊さんがどれだけ大切に思われていたのか、わかりましたか?

近藤さんにとって、彼がどれだけ大切な存在だったのかも。

「・・・・あぁ。」

そうですか。

俺の答えに、声は満足そうにそう呟いた。

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