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BL~中編・長編集~

第16章 ~Riproduzione~

「潤・・・?」

「・・・」

俺の視線の先にいる雪に、豊も気が付いたようだ。

「ぁ・・・・」

彼氏といる雪は、幸せそうに笑っている。

そう・・・

学生時代、雪には恋人がいた。

ある日、俺が公園で一人で泣いている所に、雪はやって来た。

『どうしたんですか?』

泣いている俺を見て、雪は・・・・優しく笑った。

似ていたんだ。

豊の笑顔に。

その日から、俺は雪とよく会うようになった。

豊のことで落ち込んでいる俺を、雪は優しく・・・・何度も慰めてくれた。

そして、雪は恋人と別れて・・・・俺と・・・・

「・・・・行こう。」

「え?」

また、彼の人生を狂わせるわけにはいかない。

それに、俺には豊がいる。

「なぁ、豊。」

「ん?」

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