
BL~中編・長編集~
第18章 バラ園
「ふぅ~…表は終わり!! 後は裏か…」
ひたすら作業する事二時間…
作業をしている間、どこからか視線を感じたような気がするが…
ようやく表の作業を終えた俺は、急いで裏庭に回った。
(この家無駄にでかいから、庭もありえないくらいでかいんだよ…)
心のなかで悪態をつきながらも裏庭の方に回る。
あっ、自己紹介が遅れたけど、俺の名前は三島 祐実(みしま ひろみ) 19歳 大学一年生である。
俺の父さんは華道界には知らない人がいないほど有名な庭師だ。
父さんの手にかかれば、なんの見栄えもしない庭も、一日でどこにもない、綺麗な庭になる。
そんな父さんに憧れて、将来は父さんと同じ庭師になるつもりだ。
だから、週末にはよく父さんの手伝いをしている。
今日は以前から俺が好きだった華道家の葛城 真(かつらぎ まこと)さんの家に行くと言うのでずっと楽しみにしていた。
(もしかしたら真さんに会えるかも…なんて…ね…)
そんな馬鹿な事を考えるうちに裏庭に到着した。
想像していなかった光景に一瞬固まる。
(えっ…なんで…)
そこは…
一面バラが咲いている庭だった。
こんな古風な屋敷でバラが咲いている庭なんて見た事がなく、呆然として固まる。
呆然としていると、急に後ろから声を掛けられた。
「どちら様?」
「うわっ!!」
驚いて振り返ると、ずっと憧れていた人物がそこにいた。
「ま、ままままままままま真さん!?」
「…誰かと聞いている…」
驚く俺をよそに、真さんは冷静なまま再び質問してきた。
冷たいその声にびくつきながら、質問に答える。
「あっ、えっと…三島 祐実です…」
俺の名前を聞くと、真さんは少しだけ表情を緩めた。
「ああ…啓吾さんとこの…」
「あっ、はい…と、父さんの事…知ってるんですか?」
少し遠慮がちに尋ねると、真さんは無表情のまま頷いた。
「知ってるよ…私が小さい頃からうちの庭の手入れをしてくれているからね。」
「そ、そうなんですか…」
「ああ…」
しばらく沈黙が続く。
重い沈黙に耐えられず、思わず口を開いた。
「あの…」
「ん?」
いざとなると、言葉が出てこない…
困り果てて周りを見渡すと、バラが目に入った。
ひたすら作業する事二時間…
作業をしている間、どこからか視線を感じたような気がするが…
ようやく表の作業を終えた俺は、急いで裏庭に回った。
(この家無駄にでかいから、庭もありえないくらいでかいんだよ…)
心のなかで悪態をつきながらも裏庭の方に回る。
あっ、自己紹介が遅れたけど、俺の名前は三島 祐実(みしま ひろみ) 19歳 大学一年生である。
俺の父さんは華道界には知らない人がいないほど有名な庭師だ。
父さんの手にかかれば、なんの見栄えもしない庭も、一日でどこにもない、綺麗な庭になる。
そんな父さんに憧れて、将来は父さんと同じ庭師になるつもりだ。
だから、週末にはよく父さんの手伝いをしている。
今日は以前から俺が好きだった華道家の葛城 真(かつらぎ まこと)さんの家に行くと言うのでずっと楽しみにしていた。
(もしかしたら真さんに会えるかも…なんて…ね…)
そんな馬鹿な事を考えるうちに裏庭に到着した。
想像していなかった光景に一瞬固まる。
(えっ…なんで…)
そこは…
一面バラが咲いている庭だった。
こんな古風な屋敷でバラが咲いている庭なんて見た事がなく、呆然として固まる。
呆然としていると、急に後ろから声を掛けられた。
「どちら様?」
「うわっ!!」
驚いて振り返ると、ずっと憧れていた人物がそこにいた。
「ま、ままままままままま真さん!?」
「…誰かと聞いている…」
驚く俺をよそに、真さんは冷静なまま再び質問してきた。
冷たいその声にびくつきながら、質問に答える。
「あっ、えっと…三島 祐実です…」
俺の名前を聞くと、真さんは少しだけ表情を緩めた。
「ああ…啓吾さんとこの…」
「あっ、はい…と、父さんの事…知ってるんですか?」
少し遠慮がちに尋ねると、真さんは無表情のまま頷いた。
「知ってるよ…私が小さい頃からうちの庭の手入れをしてくれているからね。」
「そ、そうなんですか…」
「ああ…」
しばらく沈黙が続く。
重い沈黙に耐えられず、思わず口を開いた。
「あの…」
「ん?」
いざとなると、言葉が出てこない…
困り果てて周りを見渡すと、バラが目に入った。
