テキストサイズ

BL~中編・長編集~

第19章 ~もう一つの恋~

「はぁ~…なにやってんだよ俺…」

次の日…
俺は学食で昨日の事を振り返っていた。

(いくら場の雰囲気に流されたからって…)

俺の寂しさを紛らわすために安藤を使う…

他の人から見たら最低な事だと思うと思う…
というか自分もそう思う。

「…どうしよう…」

「何がですか?」

驚いて振り返ると、安藤がにこにこしながら後ろに立っていた。

「安藤!?」

「…そんなに驚かなくても…」

安藤は苦笑しながら隣の席に座った。

「……安藤…昨日の話なんだけど…」

「はい?」

安藤の目が真っ直ぐ見れず、うつむきながらぼそぼそと話す。

「…なしに…してくれないか?」

「…僕の事が嫌いだからですか? それとも…僕の事を気にしてくれてるんですか?」

本当にこいつは…

質問に質問で返すのが好きだな…

俺は小さくため息をつくと安藤の質問に答えた。

「後者だよ。 俺なんかのために、お前が自分の時間を削る必要はない。」

そうだ…俺なんかのためにこいつが自分の時間を削る必要がどこにある?

こいつは俺といちゃいけない。
俺はきっと…こいつの優しさに甘えてこいつを…安藤を本当に祐の代わりにしてしまうと思うから…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ