BL~中編・長編集~
第19章 ~もう一つの恋~
それからというもの、安藤はずっと俺に引っ付いていた。
大学ではもちろん、休日まで家に押し掛けてきて…
ありがたいのか迷惑なのかわからなくなってきたのが現状である。
(まあ、お陰で一人になる事はないけど…)
確かに、安藤と付き合って?から一人になる時間が極限まで減った。
実質、一人になるのは寝る時くらいで…
最近、なぜか一人になるのが寂しく感じる。
(前まで平気だったはずなのにな…)
今日も安藤は、大学が休みだからと言って、うちに遊びに来ている。
毎日毎日俺のために時間使って…
こんな純粋で真っ直ぐなやつはなかなか居ないだろう…
「あっ、じゃあそろそろ帰りますね。」
「へ? あっ、もう帰るのか?」
(もうそんな時間か…)
安藤といると、時間が経つのを忘れてしまう。
そう思うくらい、一緒にいると楽しいのだろう。
そんな事を考えながら、玄関まで見送る。
「じゃあ、また明日大学で。」
「ああ…」
安藤はドアを開けると振り返って俺を真っ直ぐ見てきた。
「…?」
不思議に思いつつも、黙って安藤を見ていると、安藤は怪しく笑った。