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BL~中編・長編集~

第20章 ~君は親友~

「俺…ずっと智の事考えてたんだ…自分が避けてるくせに、こんな事言うのなんだけど…俺…やっぱり智と一緒にいたいんだ…」

「は…え…?」

あまりの驚きに祐が言った言葉が頭に入ってこない。

「智が俺のそばにいないのが…寂しいんだ…」

「祐…」

正直、嬉しかった。

だって、もう祐と一緒にいれるなんて思ってなかったから…

「ありがとう…俺…あんな事したのに…祐のそばにいていいの?」

俺の言葉に、祐は優しく微笑んだ。

「うん。 俺に許してほしいなら、今までみたいに一緒に居てよ。 親友としてさ。」

その言葉に泣きそうになるのを耐えると、祐に微笑み返した。

「俺も…祐にそばにいてほしい…祐のそばにいたい。」

正直に想いを伝えると、祐は嬉しそうに微笑んだ。

「泣くなよバカ…」

「うるせぇよ。 お前だって泣いてるじゃねぇか。」

俺が乾いた声で笑うと、祐も俺につられて笑った。


…久しぶりに、祐の隣で笑った気がした。

「祐…ごめんな…あんな事して…」

ずっと、謝ろうと思ってた…

(なんて、虫がいいかな…?)

祐の方を見れずに俯くと、祐が笑ってる声がした。

驚いて祐を見ると、祐はお腹を抱えて笑っていて…

驚いて言葉を失う。

「もういいよ。 智があんな事したから、今、真と一緒に居られるようなもんだし…」

「そっか…あれ、やっぱり葛城さんなんだ。」

祐が許してくれて安心すると同時に、少しからかいたくなった。

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