テキストサイズ

BL~中編・長編集~

第20章 ~君は親友~

「良かったな。 葛城さんと付き合ってるんだろ?」

俺の単刀直入な質問に、祐は少し赤くなると、照れくさそうに頷いた。

「お熱いねぇ~」

「う、うるせぇよ!!/// お前だって、1年の安藤と一緒にこんな所に来てるじゃねぇか!!」

祐の言葉に赤くなりつつ、引っかかった事を聞いてみる。

「安藤の事、知ってるのか?」

俺の言葉が意外だったようで、祐は驚いて俺を見た。

「知ってるよ。 だって、大学じゃ有名だぜ? 唯一、お前に張り合えるイケメンだってな。」

「イケメンって…俺、そんなにかっこよくないっての…」

安藤は…大学では有名らしい。

それを知らなかった俺って一体…

(しかも、そいつを好きになるって…)

自分に呆れてため息をつくと、祐が怪しく笑った。

「智…安藤の事が好きなんでしょ?」

「はぁ!?」

驚いて、思わず声を上げてしまった。

「な、何言って…///」

「おっ、赤くなってる~当たり?」

楽しそうに笑う祐を見て、観念して話した方がいい事を悟った。

「……俺は…」

話そうと口を開くと、タイミングがいいというか、悪いというか、葛城さんと安藤が帰ってきた。

「もう、話は終わった?」

「あっ、うん…」

葛城さんは優しく微笑むと、祐の頭を愛おしそうに撫でた。

まあ、そんな目の前でイチャつかれても、なにも言えないので、安藤を振り返った。

「ごめんな…ありがとう。」

「大丈夫ですよ。 仲直り出来ましたか?」

驚いて安藤を見る。

(やっぱり…俺が祐の事が好きだったって、気がついてたのか…)

「…うん。」

「そうですか。 良かったですね。」

そう言って安藤は嬉しそうに微笑んだ。

しかし、俺にはその笑顔がいつもと何か違うように感じた。

「安藤…?」

不思議に思って声を掛けると、安藤が口を開く前に、これまた絶妙なタイミングで葛城さんが話し掛けてきた。

「えーっと、犬井君だっけ? 時間的にはちょっと早いけど、一緒に夕飯でもどう? 安藤君?も一緒にさ。」

「えっ? えーっと…」

返答に困って安藤をチラッと見ると、安藤は俺を見て頷いた。

「…わかりました。 ご一緒させて下さい。」

「良かった。 では、行こうか?」

俺達はバラ園を出ると、葛城さんについて、近くの飲食店へ向かった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ