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BL~中編・長編集~

第20章 ~君は親友~

「ははは!! とうとう祐もこっちの世界に染まったか!!」

「は?」

意味が理解出来ず、首を傾げると、悠は笑うのを止めて楽しそうに話し出した。

「いや~… 実は俺もそっちの人間だからさ。 俺と一緒にいたら、性癖が移るかな?とか思ってたんだけど、まさか本当に移るとは… 傑作だね。」

「「はぁ!?」」

この時の俺達の驚きようはたぶん、半端じゃなかったと思う。

小さい頃からずっと一緒にいたのに、悠がそんな趣味だったなんて、全然知らなかった…

「お前って、そっちの人間だったの!?」

「ん? 知らなかった?」

悠は当たり前かのようにへらへら笑ってるし…

祐は吹き出すの必死に我慢してるし…

なんだか、真剣に考えるのがバカみたいで…

「類は友を呼ぶ。だな…」

「ん? なに? なんか言った? 智。」

そう言う悠に黙って首を横に振ると、大きくため息をついた。

「なんでもない。」

「ふーん… ところで君、 安藤君だよね?」

悠は、ため息をつく俺を軽く流すと、俺を挟んで隣にいる安藤に声を掛けた。

「えっ? はい… あの…僕の事知ってるんですか?」

「うん。 知ってるよ。」

悠はにっこり笑うと静かに話し始めた。

「富田罵(ふたば)高校卒業の安藤康志君。 でしょ? 違う?」

「えっ?」

安藤は驚いて悠を見る。

しかし、俺と祐は何も驚かなかった。

「悠はさ、昔からなんだけど… 顔がいい奴がいるとそいつの情報を収集する奴なんだよ。 それが、他の学校でもね。 だから、お前の事も知ってる訳。」

「そういう事。」

俺の説明に、悠は笑いながら頷いた。

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