BL~中編・長編集~
第20章 ~君は親友~
「ちょ、安藤!?」
安藤は、訳が分からず混乱している俺を無視して家を出ると、タクシーを拾って中に乗り込んだ。
「……どこ行くんだよ?」
「俺んちです。」
安藤は俺の質問に即答すると、その後は黙り込んでしまった。
「…………」
俺は何も言えず、ただ黙って安藤の家に着くのを待つしかなかった。
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十数分後…
安藤は家に着くと、俺を家に押し込み、腕を引いて自分の部屋まで俺を連れて行くと、ベッドに押し倒してきた。
「ぃっ…ちょ、待っ……安藤!?」
「あの人に…なにかされましたか?」
「え?」
いつになく真剣な安藤に、少々怯えながら質問に答える。
「別に…なにも…」
「本当ですか?」
まるで、俺の体を隅々まで観察するかのような安藤の視線を感じて、体がだんだん熱くなっていく。
「こういう事とか、されてないですか?」
「へ?」
気付いたら、唇に柔らかいものが触れていて…
「んんっ!?」
しかも、舌が口内に侵入してきた。
「ちょ…っと、待っ……んん…ッ…ぁ…」
安藤は、俺の言葉を無視して行為を続けてくる。
俺はというと…もう、抵抗する余裕なんて残っていなくて、安藤に身を任せているだけだった。
「ん、ぅ…ッ…ふぁっ…」
しばらくして、ゆっくりと唇が離れる。
「…されてませんか?」
「……ッ……え…?」
キスの余韻に浸っていたせいで質問の意味が理解できず、すぐに答えられなかった。
「どうなんです?」
なかなか答えない俺に痺れを切らしたのか、安藤は再度聞いてきた。
「…………されて……ない…」
「本当に?」
安藤はまだ不安そうな顔をしていて…