BL~中編・長編集~
第20章 ~君は親友~
「よかった。 俺、うれしくてつい…」
「……そんなに嬉しかったのか?」
嬉しそうに笑っている安藤を見て、思ったことを口にする。
「当たり前ですよ。 ずっと欲しかった言葉がもらえたんですよ?」
「…………」
その言葉を聞いて、自分も嬉しくなったのと同時に少し罪悪感が湧いてきた。
「…なんか…ごめん。」
「え?」
謝罪の言葉に、安藤は首を傾げた。
「…待たせちゃったみたいで…」
俯いてそう謝る俺を見て、安藤は優しく微笑んだ。
「謝らないで下さい。 先輩後輩の関係も楽しかったし…それに、先輩はちゃんと俺が欲しかった言葉をくれたんですから…」
「安藤…」
しばらく安藤に抱きしめられていたが、急に、安藤が体を離した。
「? 安藤?」
不思議に思って顔を上げると、気のせいか、安藤は少し顔が赤くなっていて…
「どうしたんだ!?」
「別に…なんでもないです。」
そう言って顔を隠すもんだから、余計気になって仕方がない。
「安藤?」
「………はぁ…」
安藤はため息をつくと、観念したのか、正直に話し始めた。
「…好きな人とこんなにくっついてたら、赤くなりますよ。 ただでさえ、我慢してるのに…」
我慢…?
「……我慢なんてしなくていいのに…」
「…俺、今調子に乗ってるから、絶対に止められませんよ?」
安藤の言葉に真っ赤になりながらも、すり寄る。
「先…ぱ…い?」
すり寄ったため、俺のモノが硬くなっているのに気が付いたのだろう。
安藤は驚いてか、急に体をこわばらせた。
「…お、お前のせいなんだからな!! っ…ちゃんと責任とれよ…?」
「…ッ…先輩!!」
安藤は俺の腕を掴むと、ベッドに押し倒してきた。
「…本当に…いいんですか?」
……なんか、潔くないっていうか…やっぱり、ヘタレなんじゃね?
そう思い、小さくため息をつくと、安藤の首に腕を回し、唇に軽くキスをした。
「いいから…早くしろよな。」
「先輩…」
その後は行為に夢中で、どれくらいしていたのかはわからない。
ただ…
すごく幸せだった━━