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BL~中編・長編集~

第20章 ~君は親友~

「でね、俺も智と同じ結果に行き着いたわけ。」

「同じ結果…?」

祐は「うん。」と言って頷くと口を開いた。

「俺にとって智は、大切な幼なじみで、大事な親友なの。 一緒にいたいし、これからもそうでありたいと思う。 だから、俺は智を許せた。 智も悠に対してそう思うんじゃない?」

「…………」

祐の言葉に、何も言い返せなかった。

だって、全部当たってたから。

あんな事されたけど、やっぱり悠は大切な幼なじみであり、大事な親友だ。

だから…

「それにさ、悠も智と同じように悩んでるんじゃないかな?」

祐はそう言って俺の方に視線を戻した。

「智は俺を襲おうとした後どう思った?」

「…後悔した。 祐は大切な幼なじみなのに…大事な親友なのに… 祐を傷つけた。って…」

祐はまた俺の答えに満足そうに頷くと、にっこり笑った。

「悠もそうなんじゃないかな?」

「え?」

祐は視線を俺から外し、空を見上げると口を開いた。

「悠も、智と同じように悩んでると思うよ?」

同じ…

悠も俺と同じように後悔してるのか…?

「まあ、許すのに時間は掛かるけどさ。 実際俺もそうだったし… ゆっくりでいいからちゃんと悠と向き合いなよ?」

「…うん。 ありがとう、祐。」

頷いてから少し微笑んでお礼を言うと、祐は笑って頷いた。

二人で、しばらく無言で空を眺める。

「なぁ…祐…」

「ん? なに?」

声を掛けても、お互い空を眺めたまま言葉を続ける。

「なんでここにいるんだ?」

「智と同じだよ。 サボりに決まってんじゃん。」

そう…

本当なら、祐は今、日本史の授業を受けている筈だ。

「うーん… 智がここにいる気がしたから?」

「それだけか?」

俺の質問に、祐は少し照れくさそうに苦笑すると、耳元で小さく呟いた。

「…智と同じだよ。」

早口でそう告げると、祐は恥ずかしそうに顔を赤らめた。

「それでここに来たのか?」

「…うん。」

祐は俺の言葉に頷くと、再び空を見上げた。

それにつられ、空を見上げる。

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