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BL~中編・長編集~

第20章 ~君は親友~

「祐…」

「ん?」

チラッと祐を見ると、祐は少し微笑みながら空を眺めていた。

「俺達ってさ…お互いの事よく知ってて…」

「うん。」

祐は俺の言葉に、微笑んだまま頷いた。

「同じような境遇に立たされて…」

「うん。」

「それでも一緒に居て…」

「うん。」

「俺達ってやっぱり…」

二人の声が揃った。

「「親友だよな。」」

お互いを見て笑い合う。

―と、その時、向こうから安藤と葛城さんが歩いてきた。

「あれ? 葛城さん?」

「うん。 華道のサークルの特別講師だって。」

祐の言葉に頷くと、軽く会釈をする。

葛城さんは笑って手を振った。

その時、携帯が鳴り出した。

携帯を開くと、新着メールを知らせるアイコンが。
送り主は…

「ぁ…」

悠だった。

恐る恐るメールを開いてみると、そこに書いてあったのは…

『…昨日はごめん。 謝ってすむような事じゃないのは分かってる。
でも…もし許してくれるなら、大学の正門に来て。
待ってるから…』

悠…

俺が行くべきか迷っていると、祐が口を開いた。

「行かないの? 悠、アメリカに帰っちゃうよ?」

「お前…人の携帯勝手に見るなよ…」

いならい突っ込みをしてから、ゆっくりと立ち上がる。

…腰痛も少しはましになったようだ。

「行ってきなよ。 安藤君には言っとくから。」

「ありがと、祐。」

軽くお礼を言って、正門に向かって走り出す。

腰に鋭い痛みが走るが、そんな事は気にならなかった。

今はただ、悠ときちんと向き合いたかった。

「悠っ!!」

「……智…?」

正門に行くと、空を見上げている悠がいた。

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