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BL~中編・長編集~

第20章 ~君は親友~

「もちろんです。 でも…」

「…?」

安藤は俺の腕を掴み、自分の方に引き寄せた。

「ぅわっ!?」

驚いて安藤を見ると、唇に柔らかいものがあたった。

「っ!?」

「智宏は渡しません。」

「…………」

唇が離れて、ようやくキスされた事を知る。

顔を真っ赤にして俯いた俺を見て、悠は少しムッとした表情をすると、余裕そうに笑った。

「はは…絶対奪ってやるよ。 覚悟しとけ。」

「盗れるもんなら、盗ってみて下さい。」

「あの…」

俺を完全に無視して火花を散らす2人に、祐はとうとう吹き出した。

「ははっ!!」

「…………」

「随分余裕そうだな。」

「そちらこそ。」

完全に俺を無視して火花を散らす2人に、呆れて何も言えなくなり、祐達の所に避難する。

「なんか、楽しくなりそうだね。」

「どこがだよ…第一、悠はアメリカに帰るんだろ?」

そんな俺達の会話を聞いて、悠が口を挟んできた。

「俺、帰らないよ?」

「「はあ!?」」

悠は嬉しそうにニコニコ笑いながら言葉を続けた。

「留学期間がもう終わったから、来週からは智達と同じ大学に通うんだよね。」

「やった!! また3人一緒にいられるね!!」

「…………」

嬉しそうにニコニコ笑う祐とは対照的に、どんどん気分が落ち込んでいく俺。

「はぁ…」

「そんな顔するなよ。 ま、これからまたよろしくな。」

「「っ!?」」

悠の急な行動に全員、一瞬動きが止まる。

「なっ!!」

そりゃあそうだ。

悠が俺のほっぺにキスしてきたんだから。

すぐさま安藤が俺を引き寄せる。

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