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BL~中編・長編集~

第3章 ~ずっと想い続けます~

けど、どんなものにも終わりは来るもので、お父さんが僕たちに暴力を振るうようになってから三週間くらい経った日だった。

僕の体の異変に、トラが気が付いたんだ。

僕が止めるのも聞かず、トラは僕の家に上がりこんだ。

家の中を見て、トラの予感は確信に変わった。

情事の後の独特の臭いと、僕のお母さんの体中の傷、お母さんの変わりよう、家の中は空き巣に入られたみたいに荒れてたから・・・・

わからない方がおかしいってくらいにね。

とにかく、トラはすぐに警察に通報した。

その後はもうあっという間で、よく覚えてないんだ。

警察の人が来て、お父さんが連れて行かれて・・・・・

ようやく、平凡な日々が戻ってきたんだ。


・・・・・と思ったのもつかの間、また地獄の日々が始まった。

お父さんが警察に捕まったってことは、瞬く間にして近所はもちろん、学校にも広まった。

お母さんは家から出られなくなり、僕は学校のみんなからいじめられるようになった。
夢にはお父さんが出てきて、毎日毎日同じ夢を見た。

お母さんも同じで、毎日夢にうなされてた。


あの日は大粒の雨が降ってたな・・・
その日もいじめっ子にいじめられて、泣きながら家に帰ったんだ。
「ただいま。」って言っても、お母さんから返事が返ってこなかった。

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