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BL~中編・長編集~

第3章 ~ずっと想い続けます~

って。

僕はそれを見たとき、やっと涙を流した。

お母さんの亡骸を見たとき、涙なんか出てこなかったのに・・・

手紙を見たとき、それが現実なんだって、やっと理解したんだ。



お母さんの葬儀の日、安らかな顔をして眠るお母さんを見て思った。

お母さんは、一番確実な方法で逃げたんだ。 って・・・・


「死」という方法で・・・



きっと、お母さんには耐えられなかったんだと思う。

外に出るたびに他人から向けられる好機の目。
毎日のように押しかけてくる新聞記者やテレビ局。
鳴り止まない電話。
毎日のように見る悪夢・・・・・


限界だったんだ。 お母さんは。

逃げたんだ。 この、現実から・・・・






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