
BL~中編・長編集~
第24章 ~番外編③~
「豊、久しぶりっ!!」
「久しぶり…って…近藤、大丈夫か?」
次の日…散々海斗にされたせいで、僕はギリギリ歩けている状態。
「う…ん…大丈夫…」
「はぁ…松下も相変わらず、手加減なしか。」
って言ってる豊も、寝不足みたい。
潤也はやけに肌がつやつやだから、豊も昨夜大変だったんだろうな…
「お互い大変だね…」
「そうだな。 まあ、思春期の時みたいに、連日することはなくなったけどな。」
さすがに、それはなくなった。
今度は、体力が落ちていくだろうし。
「松下と口きいてないってことは、ご機嫌斜めなのか?」
「まあね。 今、どのくらいSEX禁止にしようか考えてるとこ。」
僕の言葉を聞いた豊は、急に吹き出した。
「? 豊、どうしたの?」
「はははっ!! いや…昔も、こんなことあったなって思ってさ。」
十年前のことが甦る。
「……そうだね。」
「あれから十年か…あっという間だったな。」
昔のことを思い出しているのか、豊の目が遠くなった。
「いろいろあったな。」
「うん。 でも…」
学生時代の豊は、今にも壊れてしまいそうで…いつか本当に僕の前からいなくなってしまうのではないかと、怖かった。
「今も豊と友達でいられて、よかった。」
大好きな恋人もいて、大切な友達もいて…
「あぁ。 俺も、近藤と友達でいられて嬉しいよ。」
「へへへ。」
本当に幸せだな…って思う。
「ねぇ、君達暇?」
「「!!」」
声を掛けられて振り返ると、いつかの日のような不良(?)っぽい男達が。
「よかったら、俺達と遊びに行かない?」
「は? 俺ら、男だけど。」
明らかに面倒くさそうな表情を浮かべる豊。
ほんと、十年前のあの日みたい。
「うん。 別にいいよ。」
「ほんと!?」
「………」
にっこり微笑んで、不良(?)の言葉に頷く。
「ただし、君らの後ろにいる僕らの恋人を説得できたらだけどね。」
「「恋人…?」」
彼らが後ろを振り返ると、めちゃくちゃ機嫌の悪そうな海斗と潤也の姿が。
