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BL~中編・長編集~

第3章 ~ずっと想い続けます~

「ミケ・・・・」

自分の過去を話したらクロに嫌われると思うと、怖くて怖くて・・・・

ほぼパニック状態になっている僕を見て、クロは僕を優しく抱きしめてくれた。

「・・・ク・・ロ・・・・?」

「大丈夫・・大丈夫だよ・・・・」

クロの声は温かくて、僕を安心させてくれた。

「僕は・・昔、父さんに殴られてた時期があったんだ・・・・」

「ぇ・・・・?」

あの頃のことを思い出すと、自然と涙が溢れてきた。

「怖くて、怖くて、毎日毎日お父さんにおびえてた・・・」

「・・・」

体の震えが止まらない・・・・

「お母さんは、ロープでぐるぐる巻きにされて、僕が殴られた後、無理矢理犯されてた・・」

あの時のお母さんの顔が忘れられない。

「僕はそれを見てることしか出来なくて・・・お母さんを助けることも出来なかった。」

あの頃から、お母さんは笑わなくなった。

「僕は・・お母さんを助けることよりも、自分の安全を優先したんだ・・ッ・」

ずっと一人で抱えてきた不安。

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