なんやかんやでモテる主人公
第17章 ありきたりなストラップ
「南ーっ!!!!
どこ行ってたんだ!!!!」
「沖縄」
「はははっ(笑)
南ちゃん、それ笑えないよー」
「すみません」
靴を脱いで部屋へあがろうと
した時、あきの君が手を掴んだ。
「目赤いけど…どうかしたん?」
「気のせいですっ…
はなしてよ…」
「おいっ…あきの…
はなしてやれって」
ふっと力が弱まって
私はいっきに階段を駆け上がる。
やだやだやだやだやだやだやだやだ。
バンっ
勢いよくドアをしめて
クッションへ顔をしずめる。
「ぅ…うぅ……っ…」
声を押し殺して泣く。
これじゃあまるで
前に戻ったみたい。
何一つ変わらない。
あのキラキラな毎日は
どこへいったの?
増えたのは胸の痛みだけ?