なんやかんやでモテる主人公
第2章 ありきたりな彼ら
「は…はぁ?!な…なにゆってんのよ…っ!?それとこれとは話が別でしょ?!」
軽く怒鳴り声に近い私の声が
駅のホームに鳴り響いた。
「…ごっ…ごめん。何かムキになっちゃって…」
先に謝ったのは私。
空くんはビックリしたような…どこか寂しげな表情で私を真っ直ぐ見つめていた。
そんな目で見ないでよ…
何か全部私が悪いみたいじゃん。
裏切ったのはアッチなのに…ずっと信じてたのに…
私は空くんといながら誰を考えているんだろう…。
そう思うと目の奥がキュゥッー‥と
熱くなった。
あの日以来…私……涙もろくなっちゃったのかなぁ………?
プシュー‥
「…空くん。電車きたよ。乗らなきゃ…」
今にも泣き出しそうな顔をしている私を空くんが放っておく訳がなくて…
グンッ‥
彼は勢いよく私の腕をひき、私は彼の少し私より大きな体にスッポリと身を預けた。
「……電車行っちゃったよ…?」