なんやかんやでモテる主人公
第6章 ありきたりな穴
「う…うそっ……」
「本当に。俺南じゃなきゃ…南がいなきゃダメなんだ」
「う…うそっ…うそつき!!!!最初から愛してなかったって言ったくせにっ…!!都合よすぎるよ…っ」
なんで空は晴れてんだろ。
なんで私の心は晴れないんだろ。
神様…神様って不公平。
「別れて違う女と付き合って気づいた。俺本気で南の事惚れてたんだって」
…ずるい。
初恋の人の最低な一言を待ち望んでいたかのように私の心ばドクンッと跳ね上がった。
「だからより戻そう。何よりも大事にする。お前を傷つけた分、お前と離れた分、俺が埋めて愛してやるっ…!!」
そう言って私達はあいた時間を
取り戻すように求めるようにしてキスをした。
んっ……ふぁ……んっ……んっ!!
私これで良かったの??
私の幸せってこれなの??
どれが本当の私?
ううん……きっとこれで良かったんだ…
あいた穴はあけた人にしか埋められないの。
その時の私はそう思っていたんだ。
大好きだった先輩に愛されて
大好きだった先輩がずっと近くにいて…
こんな幸せないんじゃない?
あー。私バカなのかな。
「朝まで南を愛したい」
それから私は、先輩の家へと足を運んだ。