なんやかんやでモテる主人公
第8章 ありきたりな距離
そう言って先生とお別れをした。
フワッ……
先生の甘い匂いに包まれて…
「あったかい…」
さっきまで先生の温もりを感じていたマフラーは、私をあたためる。
それから私は、家に帰って兄に
あやまって…用事をすませるとすぐに眠りについた。
あぁ…今日はよく寝れそう。
「おやすみ。南」
そう言っておでこにキスを落とす兄に
私はストレートパンチをくらわした。
「もう!このムード壊さないで!」
バカって叫んで兄を部屋から追い出した。
本当は少し後悔した。
私の事心配してくれてたのにごめんね…
って。
何事にも素直になれない私は
いつも後から…後から後悔するんだ…
ガチャン…
ドアをひらくと寂しそうに
体育座りをしている兄…
「寒いから…今日だけ…一緒に寝てあげる…」
ぶわっ…と涙をためて私に抱きつく兄。
今日は……許して…
「ぐはっ…っ」
「どこ触ってんのよ?!」
許してあげない!!!