なんやかんやでモテる主人公
第8章 ありきたりな距離
少し言うのは辛かったけれど…
「私…っ…全てが解決するまで…ここにはもう来ないことにします」
それだけ言って下を向けば、先生は
私の頭をフワッとなでて
「いつでもおいで。待ってるから」
近くに感じたり……
遠くに感じたり……
先生との距離は一定で…
私が近くなったと感じても……
何もかわっていなくて
むしろ遠くなっていたり。
神様…
私は彼がわかりません。
外は雪がぽつぽつと降っていた。
「もうそんな季節?早いね」
「…はいっ。寒いので先生も早く帰ってくださいね…っ」
なぜか今日は車じゃなく電車で
おくってくれた先生。
どうして?
とは聞くことが出来ず…
やっぱり私と先生は縮まる事がないのかな…って身を持って感じる事が出来る位だ。
「気いつかわないの」
そう言って、先生の巻いていたマフラーを
私に巻きつける先生。
「今日はおくっていけなくてごめんね?気をつけて帰りなよ?」