なんやかんやでモテる主人公
第1章 ありきたりな私
「え?自分の世界に入ってるつもりみたいだけど、心の声もれまくりなんスけど…?」
「え?!まぢでっ?!
恥ずかしいっ…//…じゃないわよ!!勝手に私のつぶやき聞かないでよバカぁあぁあぁああ……」
そう言い終える前にさっきまで我慢していた涙が一気に溢れ出してきた。
「……うぅ……ふぇぇっ……んっ……」
ゆうは、最初うろたえていたが
あの時のように優しく私を包み込んだ
「泣く位なら、俺にしとけっつったじゃん。お前って本当バカな。」
茶色く染まった、ゆうの髪が
私の赤い頬をかすめた。
あぁ…安心する。
細いのにガッチリしている、ゆうの体にギュッ…っと力がこもった。
「……私って本当バカだよね」
「あぁ…今気づいたの?とんでもねぇ世界一のバカだっつうの」
右ストレートをぶちかまそうと思ったのに…なんだか、この時間が何とも惜しくて…壊したくないって思って…。
私はゆうの胸の中で密かに涙を流した。
ゆうの胸の中にいながら…
考えてるのはただ一人。
どうしてアナタは私の脳内を占領しちゃうの?
きっと…いや。
絶対、私の中にはアナタしかいないの。