なんやかんやでモテる主人公
第13章 ありきたりな消しゴム
キュッ‥
握れる手。
思い出すのは…昨日の夕方の記憶だけ。
バッ‥
「えっと……手に今…凄い力……宿ってて………えっと………そう!触れるとケガしちゃうよ?!」
おいおいおいおい‥!!!
私は某二病かって(笑)
俺に触れると…ケガするぜ?
的な?!
あーっ!!!!!//
私って本当バカだっ‥//
「ん?そうなの。まーいーや。着いたよ」
なんとも…あっさり流されて…
ってか
お前が悪いんだよって思う気持ちを
抑えながら、私は彼があけてくれている
マンションの部屋の中へ入った。
「おじゃましまーす」
あ……れ?
花姉のにおいする……
そう思ったのと同時に
カチャン‥
っと閉まる鍵の音。
「……先輩…っ……部屋のにおい違うくない?」
少し嫌みったらしく、後ろにいる
彼を見ずに言った。
先輩は…動揺する気配すら
見せずに
「気のせいじゃない?」
そう言って、私のネックレスを
強く引っ張った。
「…………っ」