なんやかんやでモテる主人公
第14章 ありきたりな光
「え?聞こえてなかったら、もう言いの!//」
料理が入った器を
手に取る前に、パシッと掴まれる腕。
「ちゃう。めっちゃ可愛かったから、もっかい聞きたくなってん」
赤くなって下を向くあきの君。
「おーおー。
お楽しみ中でっかー?」
これまたヘタクソな関西弁で
キッチンへと入ってくる…変態。通称、私の兄。
「健介?!これは……」
「言い訳なんか聞きたくもないわ!
可愛い顔してあきのく~ん。
はは~ん。あきの君。
こんな顔して実は……」
「ごめんやって!あの時はしゃあなかってんって!」
慌てて兄に謝るあきの君と
ヘタクソな関西弁をまだ使う某兄。
「わいの可愛い…可愛い妹に
手出したらなぁ~。
タダじゃすまへんどー!………ぐはっ…」
「あきの君いこっ?」
「え……うん」
「……みっ……南っ…」
横たわる兄に
蔑んだ目で返答する。
「そ……そいつは……変態っ……ぐはっ」
「そいつって?」
次に蹴りを入れたのは私
じゃなくて…
「ん?健介死にたいのかな?
料理冷める前に持って行かんな!」
…あきの君…一体何が……。
少しおびえる私を目に入れたのか
あきの君は、困ったような顔を見せて
料理を運んでくれた。