なんやかんやでモテる主人公
第14章 ありきたりな光
シャッっと開くと、窓の奥には
白い宝石のような雪が
パラパラと夜空を飾っていた。
『本当だ…っ』
『綺麗でしょ。
そういえば、今日お泊まりに来てるんだよね?』
『はい!
皆、先生に会いたがっていましたよ?』
クスッ
『そう?あまり嬉しくないなー』
『なんでですか!(笑)
先生は…用事か…何かですか…っ?』
沈黙。
聞いちゃいけない事だったのかもしれないな…
『んー。僕の気分で行かなかった』
気分って‥
『私は…先生に会いたかったです…』
カアアアアァァァァー‥//
何言ってんの私!
先生は、今、女の人と
いるかも知れないし…仕事かも知れないのに…自分が恥ずかしい…っ!!
『奇遇だね。
僕も君に会いたい』
『えっ?』
『っと言うより…
ベランダまで、出てこれる?』
カラカラカラー‥
ベランダの窓をあけると
冷たい風が私を包んだのと同時に…
『会いに来ちゃった』
目にうつるのは
優しく微笑む先生。
電話を耳からはなして…
『…っ先生!』
手招きをしている先生を見て
胸がぎゅっと熱くなる。
窓をしめて…先生から
借りたマフラーを持って
「ちょっと出掛けてくる!」
「えっ?おい…っ南!!」
私は、雪の降る
寒い寒い外へ駆け出した。